山の物に嫁いだ娘の里帰り
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どんな伝承か
五戸町の某所に豪家があり、一人の美しい娘がいた。蚕を飼っていて、山畠へ桑の葉を採りに行ったが、桑の木の下に草履を揃えて脱いだまま行方知れずとなった。夜になっても帰らず、村を挙げて探したが足取りは分からなかった。年月が経って家も代替わりし、五、六十年後の明治初年、大嵐の秋の日に、裏の障子をがたがたと押し開けて奇怪な老婆が入ってきた。手足の爪は鷲のように伸び曲がり、肌には斑点の苔が生え、着物は木の葉を藤蔓で綴ったもので、声は布を引き裂くようにしわがれていた。老婆は自分がその娘で山の物に嫁いでいたと語り、茸や葡萄の干物を土産に三日ほど泊まって山へ帰っていった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集
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五戸町の伝承
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