法印と龍が眠る黒伏山の御穴
どんな伝承か
黒伏山の霊所である御穴は、黒伏神社から沢を五百メートルほど登り、左の山道へ入った先に口を開けている。中には大穴牟知神と少那彦名神がまつられ、入口は狭いが奥へ進むとやや広くなり、岩肌に日天と月天が刻まれている。昔、道知法印という徳の高い僧が洞の奥へ入ったきり戻らなかったと伝わり、奥には金の杖を手に立つ法印と、七重にとぐろを巻いた龍がいると語られてきた。明治三十二年頃、行者の太田利吉と源治法印が七日間穀物と塩を断って洞に入り、言い伝えどおりの光景を目にしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。