酒粕をねだりに来た地蔵
どんな伝承か
東根の梅ヶ枝清水のあたりに、粕喰い地蔵と呼ばれる地蔵が立っている。昔、近くの造り酒屋に、夕暮れになると酒粕を食わせてくれと戸を叩く男がいた。若い衆がひとつかみ渡すと、むしゃむしゃ食べて礼を言い帰っていく。雪の日も風の日も毎晩来るので、不思議に思った主人は若い衆に男の後をつけさせた。暗い道をついていくと、四つ角まで来たところで男はふっと消え、そこには大きな石の地蔵が立っているばかりだった。地蔵が酒粕を食べに来ていたのだろうと考えた酒屋の人々が、毎日酒粕を供えるようにすると、男は二度と姿を見せなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東根市史 別巻 上 (考古・民俗篇)
『東根市史 別巻 上(考古・民俗篇)』の伝説と民話の節を抜き出したものである。山形県東根市の藻が湖と東根・西根の地名、黒伏山の御穴と竜灯、御所山の天狗と甘露水、自牧寺の七妖怪と夢窓国師、マリア観音、若木神社の縁起、大滝の大カツラと乱川の起源、三ッ屋の竜灯や人形渕などの民話を、項目ごとの箇条で収める。