雌石を呼び続けた雄石
どんな伝承か
渋川市立南小学校の校庭の南西の隅にある大石は、大石とも雄石とも呼ばれる。昔、黒沢の奥に夫婦の石があり、ある年の大水で雄石だけが今の場所まで押し流された。雄石はここで、後から雌石が下ってくるのを待っているのだという。そのころは毎晩のように、この石から相手を呼ぶ声が聞こえた。村人は大水が来ては困ると恐れ、石の上に田の神と水神を一緒にまつる祠を建てた。それからは不思議な声もやんだと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 第4巻 (民俗編)
『渋川市誌 第4巻(民俗編)』の伝説と昔話の冒頭を抜き出したものである。群馬県渋川市の飛び湯と午年の貝水、千が窪の蛇、弘法様の清水、渋川八名石・有馬五石などの石の伝え、祖母島のあずきとぎ、五居が島、二位寺山、歯黒稲荷などを、伝承の大字を添えて収める。利根川と吾妻川の合う町の、石と水と塚にまつわる伝えが中心である。