夢で迎えを頼んだ流された道陸神
どんな伝承か
上川島の道ばたに、大きな軽石の道陸神がまつられていた。五郎兵衛は朝夕欠かさず参り、はやり病にもかからず野良仕事に励んでいた。ところが浅間の泥流が押し寄せ、道陸神は行方知れずになった。探しあぐねていたある夜、中村に流されたので背負い梯子を持って迎えに来てほしいという夢のお告げがあった。翌朝中村の河岸へ行くと、傷だらけで泥にまみれた道陸神があった。だが重くて持ち上がらない。小さくなれ、軽くなれと願をかけると、御神体はみるみる小さく軽くなり、五郎兵衛は川島まで背負って帰って岡の上に据えた。以来願いを叶える神として崇められたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 第4巻 (民俗編)
『渋川市誌 第4巻(民俗編)』の伝説と昔話の冒頭を抜き出したものである。群馬県渋川市の飛び湯と午年の貝水、千が窪の蛇、弘法様の清水、渋川八名石・有馬五石などの石の伝え、祖母島のあずきとぎ、五居が島、二位寺山、歯黒稲荷などを、伝承の大字を添えて収める。利根川と吾妻川の合う町の、石と水と塚にまつわる伝えが中心である。