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哲学に凝った文学士の一家心中

所在地東京都台東区下谷
年代先年(大正期)
登場帝大哲学科出身の文学士某、妻子
出典變態心理と犯罪

どんな伝承か

憂鬱病者の自殺の例として挙げられた事件。憂鬱病に罹った者は、誤った観念から、自分の愛する者の苦痛をも救ってやるのだと称して、妻子までも自殺の道連れにすることがある。その著しい場合として、先年、帝大哲学科出身の文学士某氏が妻子を殺して自殺した一件がある。某氏の父の告白によれば「倅はあまり哲学に凝りましたので、遂に厭世を起したのであります」という。哲学に凝って厭世に陥ること自体が、某氏が憂鬱的の素質を持っていたことを証明するものだと著者は述べる。妻女は東京下谷の某女学校に教鞭をとっており、生活難のような問題のない立派な家庭であったと推察される。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

變態心理と犯罪(中村古峽)

『變態心理と犯罪』は、中村古峽が著した変態心理学の論集である。二重人格、夢遊病、狐憑きや神隠し、催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教などの神憑りや心霊術を迷信として論じ、迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収める。著者自身の被験者や大本教訪問の見聞を例に引き、変態心理の解説から催眠術、宗教批判、犯罪の実話へと進む順に並べる。

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