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催眠で呼び出された第二人格の悪心

所在地東京都台東区浅草
年代大正六年二月十一日
登場中村、著者、施術者(著者)
出典變態心理と犯罪

どんな伝承か

著者が覚醒状態のまま問いただしても、山田は電車で浅草へ行き活動写真を見たという輪郭しか思い出せなかった。唆かす者は誰かと厳しく問うと「悪心です。私の悪心です」と答えたので、著者はただちに催眠状態に入れて悪心を呼び出した。悪心が現れると山田の態度は一変し、悄然としていたのが俄に傲然として非常に能弁になり、山田を三人称で呼んだ。悪心は、母から貰った十銭で入場券を買わせ、翌日は同級生から一円を借り出させ、その翌々日は万年筆を八十銭で売らせて浅草へ誘惑した顛末を語った。何館で何を見たか、その筋書も、金銭の用途も一銭単位まで記憶しており、第一人格が忘れた記憶をすべて保持していた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

變態心理と犯罪(中村古峽)

『變態心理と犯罪』は、中村古峽が著した変態心理学の論集である。二重人格、夢遊病、狐憑きや神隠し、催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教などの神憑りや心霊術を迷信として論じ、迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収める。著者自身の被験者や大本教訪問の見聞を例に引き、変態心理の解説から催眠術、宗教批判、犯罪の実話へと進む順に並べる。

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