炎天の屋根に立てこもった少年
どんな伝承か
七月、少年はまた盗みを働いて姿を消した。母から連絡はあったものの、約束の日になっても来ない。二日遅れて母と学生に両手を取られ、ようやく著者の家に現れたときの顔つきは凄まじかった。上唇を吊り上げ、眉間に三筋の深い皺を寄せ、それでいて疲れ果てた鈍い目をしている。連れ出そうとした際、少年は二階の窓から屋根へ上がってしまい、逃げ道がないまま炎天の下に二時間余りいた。水をくれと叫んで戻った顔は真っ赤だった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽・大正10年代~昭和初期(推定1920年代))
二重人格の諸事例(變態心理と犯罪)/アンセル・ボーン/フェリダの交替人格/変態心理と犯罪/催眠と記憶障害/憑依とされた病理の科学的説明