厠に立っていた猫の顔の娼妓
どんな伝承か
伊達郡桑折町で郵便局長をしていた平山市兵衛は、当時同町屈指の人物であった。維新前後のこと、妓楼松嶋屋で宴をはった市兵衛が、夜半に酔って厠へ行き戸を開けると、なかに一人の女がいる。姿は娼妓に違いないが、顔は猫の顔であった。驚いて次の戸を開けると、そこにも猫面女身の怪物がいた。厠に入れず廊下を引き返すと敵娼が心配して見に来たのに出会い、思わずその着物に触れ、そのまま気を失って倒れた。のちに調べたところ、この楼では病んだ娼妓を厠のそばの薄暗い部屋に寝かせたまま看護もせず憤死させていた。盛んな法要を行うと怪異は現れなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。