乾電池一個で万病を治すという客
どんな伝承か
著者が渋谷駅の近くでアマチュア向けのショールームを開いていた頃の話である。昭和三十五年五月頃、店に妙な客が現れた。長崎市の生まれで代々漢方薬を扱う家の者だといい、自分の代になってから昭和四年頃より、漢方の医術と電子技術をどう組み合わせるかを研究してきたと語る。手首や足首にある灸のつぼをテスターで測り、表面温度計で温度を見れば、本人に何も尋ねなくても病気も悩みも、その日に何を食べたかまで言い当てられるという。病が見つかれば乾電池一個から微弱な電流を数回流すだけで足りる、はげ頭にも色盲にも糖尿病にも効くと言うので、著者は茶飲み話としか思えなかった。のちにこの人物は小林診療所の立光伝博士と判明する。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
続四次元世界の謎(内田秀男・四次元世界の謎シリーズ・1970年(昭和45年))
『続四次元世界の謎』は、内田秀男が昭和四十五年に著した超常現象の論考集である。昭和三十八年から四十三年にかけて月刊誌『電波技術』に「あなたは信じますか」の題で書いた記事を抜き出したもので、前兆や因縁、建物のたたり、九星学による相性と方位、テレパシーを、電気・磁気の定数や電波の考え方で説明しようとする。神秘と科学の間・ミステリー世界からの信号・運命の予知と対策・理論から実験への四部に分け、図表と著者の実験の記録を多く載せる。