河童神の御手洗池の底の異界
どんな伝承か
加美郡色麻村の一ノ囲に古く鎮座する磯良神社は、通称を河童神さまという。その御手洗の池は、どんな日照り続きのときでも水が涸れることがなく、用水堀に続いていた。昔、近所の安彦甚之丞という者が十七、八歳の夏、仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っていたところ、いつの間にか水底から水のない所へ出た。そこには立派な家があり、窓から覗くと十七、八の美しい娘が機を織っていた。ここは何処かと尋ねると、人間の来るところではない、来たことを三年たたぬうちに人に語れば必ず禍いがあると言われた。夢中で逃げるともとの用水堀に出た。のちに酒に乗じて口を滑らせた一人は、原因不明の高熱で急死したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承