焼酎で雀を捕る話・摺粉木で鴉を捕る話
どんな伝承か
重兵衛のお伽噺のうち、雀や鴉を捕る奇抜な方法の話。庭一面に柿の葉を並べ、その上に焼酎に浸した米粒をのせておく。雀が来て食べると酔って好い気持になり、柿の葉を蒲団にして寝込む。秋の日が照りつけて葉が乾き、じりじりと巻き上がってそっくり雀を包み、動けなく縛ってしまう。頃合いを見て箒で掃き集めれば米俵に一俵は捕れるという。鴉を捕るには牛の背に赤い紙を貼り、尾に摺粉木を縛って野良へ出す。鴉が赤紙を牛肉と思ってつつくと、牛が蠅を追う気で尾ではたき、摺粉木の一撃で鴉が撲殺されるのだという。
原典より
雀が来てそれを食うと間もなく酔を発して好い気持になり、やがてその柿の葉を有合わせの蒲団にしてぐっすり寝込んでしまう。—— 怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異考 - 化物の進化(寺田寅彦)
『怪異考 - 化物の進化』は、物理学者寺田寅彦が大正九年から昭和十二年にかけて雑誌・新聞に書いた随筆と談話を集めた本である。土佐の「孕のジャン」や濃尾のギバを地鳴りや空中放電で説く「怪異考」、昔の人が化物を自然現象の説明に用いたことを論じる「化物の進化」のほか、人魂、狸の腹鼓、厄年、夢判断などを科学者の目で語る。各篇の末尾に初出の年月と掲載誌名を記すが、「狸の腹鼓」だけは「単行本未収録」とのみ記す。