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金持ちの家から飛び去った金色の玉

所在地群馬県利根郡みなかみ町
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

嘉永か弘化のころ、上野国利根郡須川村のある人が幼いころ、母に連れられて隣村の親戚の家に泊まった夜のこと、寝室で熊蜂の巣を壊したような騒がしい音が起こり、やがて室内が金色に輝くこと一時間ほど続いた。そして一抱えもある大きな金色の玉が現れ、まばゆい光と響きを立てて外へ出て行った。閉めた戸にも障子にも何の異状もなかった。家の老母が庭で見送ると、玉は南へ飛び、川向こうの胡桃村で消えた。老母は落胆し、あれは十五年前に同じように来てから家運を盛んにした金の神で、出て行ったのは不吉だから決して口外するなと言い含めた。近郷一の金持ちだったその家は、以後しだいに衰えて貧しくなったという。

原典より

一ト抱へもあるべき大なる金色の玉が現はれて、眩い光輝を發し、一種の響きを立て、戸外に出でたが—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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