久米の畑道の幽霊
どんな伝承か
子供のころの話。当時、久米のAさんの畑の道は子供の遊び場だった。ちょうど蚕時分のころ、夕方までその畑道で遊んでいて、ふと道の端に目をやると、白っぽい着物を着た背の高い人が、田んぼにのしかかるようにして立っていた。まるで幽霊のように手をだらりと前に垂らしている。びっくりして「幽霊が出たよー」と叫び、一緒にいた皆と駆けて逃げた。家に帰ってから親にシンタクまで行ってこいと言われたが、怖くてとても行けなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。