終戦前日に撮られた神宮参拝の写真
どんな伝承か
元伊勢警備隊大隊本部付の副官だった人物の回想。終戦前日の八月十四日、大阪毎日新聞の記者と写真班が訪れ、神宮に向かって兵士が決意を表明する場面の撮影を求めてきた。副官はまさか敗戦を報じる記事の一部になるとは知らずに撮影を許可したが、後日掲載された新聞では、終戦の詔書を聞いて恐懼し参拝する兵士たちの姿として報じられていた。報道関係者は事前に敗戦を知っていたのではないかと副官は振り返っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸)
『現代民話考 ― 軍隊』は、松谷みよ子が編んだ、軍隊と戦争をめぐる現代の民話の集成である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞き書きによって寄せられた話をもとに、十五年戦争を中心に徴兵検査から新兵のしごき、戦地、虐殺や飢え、敗戦、収容所、戦犯、軍隊生活の怪談までを収める。巻頭に序文「明日の民話のために」と論考「軍隊考」を置き、十三の部に分けた各話の末に話者と回答者の名と在住地を記す。