隠し戸棚の嬰児と亡霊の頬ずり
どんな伝承か
翌朝、壁と同色の隠し戸棚を開けると、生後一ヶ月ほどの嬰児の絞殺死体と数珠が入った箱を発見。駅に着くと、上流家庭の若い婦人が線路に飛び込み轢死しており、遺書には数日前に赤子を殺し旅館二階に隠したと自分の後追い自殺を記していた。前夜の女の亡霊の頬ずりが正夢だったと知り勘兵衛は震え上がった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の神秘(武久勇三・1949年(昭和24年))
『心霊の神秘』は、武久勇三が昭和二十四年に著した心霊現象の解説書である。近親の死に際して現れた幽霊や夢知らせ、精神感応などの実例を、戦時中の出来事や知人の話、外国の研究記事から集めて語り、精神感応や霊波の考えで説明を加える。後半の「第三篇 超心理学」では透視術・夢の原理・催眠術・読心術を説き、巻末に「まぼろしの靴音」「死と心霊の神秘」を置く。奥付には千部限定版とあり、善隣出版社から出た。