肩に乗った爺の霊と車の重さ
どんな伝承か
ある寺の僧が檀家を訪ねると、仏壇の中から年老いた男の声がした。長くこの家にいたが、家中の者に虐げられて半殺しのような死に方をした、こんな所は厭だから帰り道に目黒不動まで連れて行ってほしい、という。僧が帰ろうとすると、門口でその爺が肩に乗ってきた。僧は黙って人力車に乗り、目黒不動の門前で降りた。すると車夫が驚いて、ここまでは車が重くて難儀したのに、不動尊の前に着いた途端に半分ほど軽くなったと言ったという。座談会でこの話を聞いた泉鏡花がその後の顚末を尋ねたが、記者は知らないと答え、柳田國男は分からないほうが面白いと応じた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。