コレラを退ける百万遍の念仏
どんな伝承か
かつてこの地方では百万遍という行事が広く行われていた。村人が集まって南無阿弥陀仏を百万遍となえ、夏に襲ってくる疫病を防ごうとするもので、土用のころに営まれた。行幸田で明治の中ごろ、コレラが流行したときに行われたのは、まさにその病を退けるためであった。ただしそれ以外の場合は地蔵さまの行事に付随して行われている。この土地は地蔵行事が盛んだったので、百万遍もそちらへ吸収されてしまったのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
渋川市誌 民俗編(市史編纂シリーズ)
『渋川市誌 民俗編』は、渋川市の市誌民俗編のうち、第六章「民俗信仰」の第一節から第五節の初めまでを収めたものである。人魂・幽霊・ロクロッ首・生まれかわり・死神などの霊魂の話、手をつけてはいけない聖地や耕すと祟る忌地、オサキ使いや狐つき、神かくし、若宮八幡などのたたり、イチッコと呼ばれる巫女や祈禱師、東向き鳥居参りなどの祈願を、市内の大字ごとの聞き書きで記す。はじめにで章全体を解説し、続く節では話に見出しと採集地の大字を添える。