悪しきものを断つ道切りの注連縄
どんな伝承か
道切りは、道を通って外界から村や屋敷に入ってくる悪しきものを、出入口で遮断する呪術である。南沢では春秋の彼岸前に青年が竹と注連縄を用意し、神社で拝んでもらった神札を注連縄の中央につけて、村の上と下、裏山と前の川の四か所の道の上に張り渡した。丸山では旧四月八日の前日に草鞋を下げた注連縄を屋敷の上下に張り、畑中では病気が流行ると神主に拝んでもらって屋敷の出入口に張った。道切りは百万遍の数珠くりに伴って行われることも多く、流行病のときは村のカドグチや三つ辻で数珠が回されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。