大蛇を止めた道切りのぶな
どんな伝承か
昔、秋田の狩人が西の磐井郡の山奥から下りてくると、途中で大きな蛇に出くわし、夢中で鉄砲を撃って射止めた。山を下って上衣川の増沢の奥のハブナまで来ると、後ろから何かが追ってくるような妖気がした。振り返っても何もいない。射止めた大蛇に違いないと思った狩人は、ぶなの枝を折って土に挿し、これより追って来るなと道切りをした。さらに下って東山に登り始めると、また追われる気がしたので、再びぶなの枝を折って挿した。この枝が根づいて大木となり、そこをぶな峠と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。