首だけで大蛇を噛んだ薄雲の愛猫
どんな伝承か
西巣鴨の西方寺には、仙台高尾の塚とともに、左利きの石造りの招き猫が置かれている。もとは吉原で全盛を誇った名妓、薄雲太夫の愛猫がその姿だという。薄雲は三毛猫を、寝るときも食事のときも花魁道中のときも離さずかわいがった。ある日、厠へ立つと猫も入り込み、彼女の前の一点を睨んで動かない。追い払おうとするほどすがりつくので、たまりかねて助けを呼ぶと、駆けつけた楼主が猫の首をはねた。首は飛んで、厠の下から薄雲を狙っていた大蛇の喉に噛みつき、これを仕留めたという。報恩を知った薄雲は施主となって塚を建てた。
原典より
西巣鴨の仙台高尾塚で知られる西方寺には左利きの石造の招き猫がいる。—— 心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・2000年(平成12年))
『心霊大全――20世紀の超自然現象世界』は、中岡俊哉が二〇〇〇年(平成十二年)に著し、ミリオン出版から刊行した超常現象の総覧である。日本各地と世界各国の怪奇現象・伝説・心霊の地を県別・国別に紹介し、心霊写真・自動書記・憑依などの心霊現象、臨死体験と輪廻転生、透視・念力などの超能力、手かざしの治療を解説する。全六章から成り、巻末に著者インタビュー、著書・ビデオ作品一覧、あとがき、著者略歴を付す。