世継ぎを持たぬ松浦長者の参籠
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どんな伝承か
胆沢に伝わる高山掃部長者と竹生嶋弁財天の物語である。人皇二十八代安閑天皇の御代、筑紫肥前国松浦の里に松浦長者という者がいた。黄金の湧く山九つ、白銀の湧く山十三、老人を若返らせる音盤の松、死ぬほどの病人も癒す邯鄲の夢の枕、麝香の犬、悪魔を防ぐ飛剣など、宝は数を知れぬほどであったが、夫婦には世継ぎがなかった。長者夫婦は長谷の観世音に参籠し、七七日目の夜半、老僧の姿で現れた観世音から前世の因果を説かれ、授ける子種はないと告げられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史・自治体史(民俗))
岩手県胆沢町の伝説・昔話を網羅する。第一節は高山掃部長者と松浦佐用姫の物語で、薬師如来本地松浦佐夜姫誕生記、高山掃部長者竹生嶋弁財天胆沢物語、『南部叢書』所載の奥州胆沢高山実伝(高山稲荷の由来、嘉門長者の妻が嫉妬で大蛇に化し止々井の大堤に隠れて人を害し、美女を牲に供える年番が定められ、遠州小夜の中山から小夜姫が身売りして奥州に下り、牲に上るが神明仏陀の冥助で害を免れ大蛇の骨角を埋葬、潟岸薬師・諏訪明神を祀る)など複数の版と考証を収める。
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