神ツケで鎮守と八幡が憑いた巫女
どんな伝承か
南沢に石塚チエミというワカドノがいる。明治三十九年、父千代松と母トヨの間に生まれ、生まれつき目が不自由で二歳で完全に失明した。一六歳のとき白子の蕪木マスに五年の年季で弟子入りし、ヨネコの名をもらって朝の水浴びと拝みの唱え言を習った。四年目に生家で神ツケを行い、二日目には水浴びを三万三千余回重ねてから小袖を着、注連縄を張り巡らせた部屋で仲間のワカドノの輪に入ると、鎮守様と八幡様がついた。弓を叩くと祖母の霊もついたという。神ツケを終えて一人前となり、礼奉公ののち生家に戻って開業した。口寄せはせず神オロシと占いを行う。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史・自治体史(民俗))
『天栄村史 第4巻(民俗編)』第六節ほか所収の憑依と怪異・呪術・神社伝承。福島県天栄村に伝わる信仰と怪異を採録する。