節をつけて告げる屋敷一年の吉凶
どんな伝承か
ワカドノのところへヤシキの一年の吉凶を聞きに行くことを神オロシという。一般に春先に行われ、屋敷を代表して年寄りの女性が四人から十数人でワカドノを訪ねる。ワカドノが屋敷の一年の吉凶をフシをつけて言うので、一人が専門にノートをとり、結果は紙に書いて屋敷中に回覧したり、屋敷の集まりのときに知らせた。横内の昭和六十一年二月十六日の神オロシでは、惣代の広瀬和吉と年高の芳賀善八の一年が占われ、続いて月ごとに病・けが・火難・争いごと・縁談と、悪い方角が告げられた。悪い年には七天王参りが行われた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。