三田光一の金塊引揚詐欺事件
どんな伝承か
琉球王が島津藩へ納める金銀財宝を積んだ松保丸は、慶応三年八月に沖縄を出帆し、鹿児島へ向かう途中で暴風雨に遭い、十月十七日に七島灘の中の島沖合で沈没した。沈船の権利は転々とし、昭和十五年三月、透視と念写で知られた霊能者の三田光一が引揚事業に加わって現地へ向かった。三田の透視は苦もなく沈船箇所を探し当て、彼は付近の孤島に小屋を設け、潔斎しつつ霊能を振起して指図した。しかし七月中旬までの四か月の作業の収穫は積荷目録とかけ離れており、三田は金塊引揚詐欺事件の被告となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年))
『第四の世界―心霊現象のなぞをとく』は、田中千代松が一九六〇年に著した心霊現象の解説書である。予言・千里眼・霊聴・霊言・自動書記・サイコメトリーなどの霊能から、幽霊の体験記、物質化した霊像、叩音、物体移動、心霊写真、ルルドの奇蹟、起訴された霊媒、デューク大学の超心理学までを、日本と欧米の事例を交えて扱う。東京大学教授後藤以紀の推薦文とまえおきに続く十六章で構成し、むすびで心霊研究のあり方を論じる。