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台所に下がる白い影と縁起のよい家

所在地東京都新宿区四谷坂町
年代大正八年
登場田山水穂、体験者(保険勧誘員)
出典日本怪談実話

どんな伝承か

四谷坂町に田山水穂という保険の勧誘員が住んでいた。当時その町には友人の北島好孝もいて、田山がよく遊びに来たというから単なる噂話ではない。家は六畳一室に三畳二室と台所の付いた古い小さな家で、家賃は十五円、家主は同じ坂町の松本という材木店であった。大正八年のある夜、田山が便所に起きたついでに台所の障子を開けると、天井窓のあたりから白いぼうとした人の形をした物がぶらさがっていた。その後も同じことがあったので易者に相談すると、間取りを見て「この家には変死人があった、それも台所で首を縊ったものだ」と言い、続けて縁起は悪くない、ここにいるときっと金をもうけると引き止めた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

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