吹流しを立てた屋台船で秋葉山へ
どんな伝承か
慶応三年九月十七日、横山村から秋葉山へ向かった川船五隻は、いずれも屋台船に仕立てられ吹流しをつけていた。二十四日には細山へ秋葉山の火防の札が降り、二十五日に御神酒を上げ、二十六日には大嶺村の者が秋葉山へ参詣している。横山村では九月二日から村じゅうで相談のうえ「おかげ信心の日待ち」をはじめ、十二日には身持ちの正しい者ばかりが揃って秋葉山と光明山へ参った。光明山大権現は秋葉山の南に鎮座し、近隣の信仰を集めていた。伊勢ではなく秋葉山を目指すこの騒ぎを、この地では「秋葉山おかげ」と呼んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか始まる(田村貞雄・1986年(昭和61年))
『ええじゃないか始まる』は、田村貞雄が一九八六年に著した幕末の民衆運動「ええじゃないか」の研究書である。慶応三年に三河から遠江・駿河へ広がった御札降りの発端を、牟呂村の「二夜三日正月」、御鍬百年祭、吉田宿の助郷騒動、秋葉信仰との関わりから、村方の文書や日記、市町村史の史料をもとに追う。はしがきに続く八章で発端から波及、仕掛人をめぐる諸説、祭の後の「代替わり」までを論じ、主な史料はその原文を別組で示す。