数日にわたる実験で
どんな伝承か
明治四十三年四月、福来友吉博士は京都大学の今村博士とともに熊本へ赴き、御船千鶴子の透視を実験した。錫の箔片は失敗したが、茶壺に入れた名刺は五分後に「大島忠九郎」と的中。翌日は熊本で買った錫の瓶、鉄瓶に名刺を入れて試すと「串山寛治」と七分余りで当てた。十二日、別荘で今村博士が番頭の名刺を二重箱に仕込むと、千鶴子は「あなた方は私をおだましなさいましたね、この中には一昨日の箱が入っています」と見破った。名刺の代わりに勝手に入れた銭入れの中身も「十銭が三個、二銭が一個…」と言い当てた。九月には東京神田の関根屋でも、鉛の瓶に封じた「心神通」の文字を透視して見せた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千里眼獨習(神秘術研究會)
『千里眼獨習』は、神秘術研究會が著し、盛報館から出た千里眼の独習書である。密封した書状を読んだ下婢の話やスウェーデンボルグが遠方の火災を知った話、御船千鶴子の透視実験など内外の事例を挙げ、千里眼の理論、催眠術との関係、意志・感情・身体の修養による練習法を説く。例言と内容目次に続く十六項目の本文に、手・爪・顔の部位から人の性質や吉凶を見る付録「人生豫言術」を添える。