三浦亭で失敗した千鶴子の種板透視
どんな伝承か
明治四十三年十一月、福来友吉は熊本で御船千鶴子の能力を調べていた。写真屋で「一」と「二」をそれぞれ種板に撮影し、現像しないまま黒紙で幾重にも包んでボール箱に収めた。千鶴子と義兄の清原、熊本市長に招かれて三浦亭で食事をした折、箱の中の文字を透視してほしいと頼んだ。千鶴子は箱を手に十二分ほど念を凝らしたが、結局分からないと言って返した。福来は見えないのも無理はないと考え、それ以上試さずに帰途についた。
原典より
千鶴子はボール箱を手に持ち、十二分も精神を凝らして居たが、遂に解らぬと言つて、其の物を余に戻した。—— 心霊の現象(福来友吉) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の現象(福来友吉)
『心霊の現象』は、福来友吉が数年来諸雑誌、とくに弘学館の『ニコニコ』誌に通俗的に書いた文章から、心霊問題にかかわるものを選んで編んだ小冊子である。明治四十三年から長尾夫人・高橋夫人を相手に試みた念写の実験の経過を詳しく記し、夢による知覚や治癒、潜在精神から生じる病やヒステリーの事例を挙げる。念写、希望のニコニコ、「我の能力」と人性、生命学と心霊研究、動物主義、夢、潜在精神、精神的養生の諸篇を収め、各篇を節に分ける。