念写実験 - 長尾夫人の事例
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どんな伝承か
余(福来)は長尾夫人と念写実験を重ねた。三畳の室で夫人が精神統一して念じた種板を石川写真館で現像すると、丸い形や、白紙に書いた「天照」の明瞭な感光現象が現れた。その後、十字・黒丸・山・川・三・一などの文字や形を念写させ、いずれも成功した。念写が学術上の事実となるには他の学者の実験にも現れねばならぬと考えていたところ、物理学者山川博士から実験の申し込みがあり、明治四十四年一月八日と定めた。だが助手の某理学士が準備に手違いを生じ、実験は無意味に終わった。しかも長尾夫人は一月二十六日からインフルエンザにかかり、肺炎・肋膜炎を併発して二月二十六日に長逝、念写問題は有力な実験者を失って有耶無耶に葬られてしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の現象(福来友吉・明治四十三年~大正期)
本書『心霊の現象』は、明治~大正期の心霊研究者・福来友吉による学術的な心霊現象論である。著者は念写実験(長尾夫人、高橋夫人の事例)を通じて超常現象の実証を試み、潜在精神・潜在意識の存在と活動を科学的に検証する。また夢の神秘性、潜在記憶、死霊との接触、ヒステリー現象などを、催眠術やフランスの心理学実験(ジャーネー、シャルコー)の知見を引用しながら分析している。
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