長尾夫人の乾板全面感光
どんな伝承か
福来博士は、文字を撮影してまだ現像していない写真乾板を用い、長尾郁子に透視の通信実験を行なった。菊地学士から送り返された、高の字と哉天兆の字を撮影した二枚の乾板を、十二月十五日の午前、付近の写真師の暗室で現像したところ、二枚とも膜の全面がはなはだしく感光していた。撮影時の手違いや機械の故障によるものとは、種々の事情から考えられない。光線が包装の紙や箱を透過した結果とも思われない。そこで福来は、これは長尾夫人の精神の働きによって現われた現象であると仮定し、これを前提として念写研究の結論を演繹していったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
第四の世界―心霊現象のなぞをとく(田中千代松・1960年(昭和35年))
『第四の世界―心霊現象のなぞをとく』は、田中千代松が一九六〇年に著した心霊現象の解説書である。予言・千里眼・霊聴・霊言・自動書記・サイコメトリーなどの霊能から、幽霊の体験記、物質化した霊像、叩音、物体移動、心霊写真、ルルドの奇蹟、起訴された霊媒、デューク大学の超心理学までを、日本と欧米の事例を交えて扱う。東京大学教授後藤以紀の推薦文とまえおきに続く十六章で構成し、むすびで心霊研究のあり方を論じる。