脳腫瘍の十六時間手術と九日間の昏睡
どんな伝承か
茨城県日立市に住み、日立製作所の下請けで機械設計をしていた佐藤国男さんは、1979年6月、三十六歳のとき頭が割れるような痛みと吐き気に襲われた。市販薬が効かず、近くの病院で手足を動かすよう言われると左半身が動かず、CTで脳腫瘍が見つかってすぐに入院した。手術は日立総合病院で行われ、当時珍しかったレーザーメスを東京の東大病院から借りてきて、十六時間をかけた。出血が多く六千ccもの輸血が必要になり、術後は九日間意識不明が続いた。前の年に長男が生まれ、初めて自分の家を新築したばかりのことだった。
原典より
手術は日立総合病院で、当時まだ珍しかったレーザー・メスを、わざわざ東京の東大病院から借りてきて行なわれた。—— 証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年))
『証言・臨死体験』は、立花隆が文藝春秋の雑誌『クレア』に連載し、一九九六年に単行本として刊行した臨死体験の証言集である。俳優の安田伸、作家の水上勉、彗星探索家の木内鶴彦、プロレスラーの大仁田厚、映画監督の羽仁進など、病気や事故で死の淵に臨んだ二十三人の体験を、本人や家族からの聞き取りで記録する。各章は人物の略歴と前置きに続けて問答形式の談話を載せ、本人の著書や手記からの引用も交える。