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常宮の産小屋に敷かれた砂ウブスナ

所在地福井県敦賀市常宮
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

福井県の敦賀半島では戦後も長く、産婦が母屋とは別の産小屋にひとりこもってお産をする習わしが続いていた。民俗学者の谷川健一は昭和四十八年、半島東岸の漁村、敦賀市常宮で物置になっていたもとの産小屋を訪ねた。波打ちぎわから十数メートルの二間の小屋で、奥の産室には産婦がしゃがんで握った力綱が下がったままだった。案内の老人は、床の一番下に砂を敷き、その上に藁くずや筵を重ねたと話し、その砂の呼び名を尋ねるとウブスナだと答えた。谷川はここから産土の語源を産屋の砂と考え、その砂を旅の護符にした理由も説いた。

原典より

産婦の死と「ウブメ」安産祈願と犬卒塔婆渡し舟で出産した女性の話花見潟墓地遺骨は穴に投げ入れる—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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