中野の人妻を追いつめた清流の行事
どんな伝承か
昭和九年八月、中野区で一人の婦人が自ら喉を切った。家庭は円満で暮らしの心配もなく、動機が分からない。幸い致命傷を免れたので意識の戻るのを待って聞き取ると、夫も知らぬ事情が明らかになった。夫の松野は情報社を営んで財を成したが、二年ほど前から病がちだった。医学で治らぬなら神仏をと考えていたところ、中野に霊験あらたかな教会があると聞き、妻の道子はひそかに訪ねる。教主は、あと二か月で死ぬ運命だが今ここで信心すれば救えると告げ、彼女は入信費や祈祷料を合わせて三百五十円ほどを納めて日参した。だが夫の病は悪くなるばかりで、ある晩、直接神を呼ぶからと暗い一室へ導かれ、そこで辱めを受けたのである。
原典より
* 非処女の真相* 伏魔殿の女達* 水郷の怪行者* 悪行者の罠五、家庭を破壊されたもの* 本門八品浄風教会の掟* 暗い家族(ひ××みち)* 毒牙に斃れた姉(天×教)* 夫に捨てられて半狂乱(生××家)—— 邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判・昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
邪教に迷はされた人々(好村春基・浅野研真ほか編・新興宗教・邪教批判・昭和(戦前))