薬師堂の賽銭箱に降った光る石
どんな伝承か
相模国淘綾郡の山西村(いまの二宮町山西)では、十一月七日の夜、薬師堂の前の賽銭箱に、金銀の光を放つ不思議な石が降った。町内や近くの村々から寄進が集まり、八日から十一日までに金十四、五両とも二十両ともいう額になったと噂され、あちこちから大勢の参詣人が押し寄せた。十六日になっても毎日参詣人が多かったといい、この降下をきっかけに神楽も催された。
原典より
淘綾郡山西村(現在中郡二宮町山西)では、七日夜薬師堂前の賽銭箱に金銀の光りある不思議な石が降り、…—— ええじゃないか(高木俊輔) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔)
『ええじゃないか』は、幕末維新期の民衆運動を研究してきた高木俊輔が、慶応三年から翌年にかけて広がった「お札降り」と「ええじゃないか」の乱舞を各地の史料からたどった歴史書である。三河吉田での初出から東海道、甲斐、江戸、信濃、伊勢、京都、大坂、中国、淡路、四国まで、日記や記録に残る降札と踊りを国ごとに述べる。概観と東国・西国の四章に続く終章で降札の作為者やおかげ参り、世直しとの関わりを論じ、参考文献を付す。