鏡の反射で武士を落馬させた小原の薬師堂
どんな伝承か
小原の薬師堂は、もとはもっと上のほうの奥まったところにあったのを移したのだという。どこかの武士が馬に乗って押切の浜のあたりを通ったとき、何があったわけでもないのに落馬した。調べてみると、薬師堂の中の鏡の反射のために目がくらんで落馬したらしい。そのままでは危険だというので、鏡の位置を変えるために薬師堂の場所を移したのだという。文献では、頼朝が押切川のところまで来ると必ず落馬するので不思議に思って川をさかのぼり、山頂でまばゆいばかりの薬師像を見つけ、光が強すぎるからもっと低いところへ移すよう命じたと伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。