郁子の念射と味覚試験
どんな伝承か
明治四十四年、香川県丸亀市の長尾判事邸で、判事夫人・長尾幾子(郁子)の精神写真(念写)と味覚の試験が行われた。今村新吉博士らが立ち会い、包み合わせた乾板二枚の一枚にのみ「一」の字を二十六秒で念射させると、深く明瞭に現れた。続いて白砂糖と食塩を紙包にして黒塗りの小箱に入れ味覚を試すと、幾子は瞑目して舌を動かし「色は白く塩辛い」と答え、開けると塩で的中した。乾板の現像は丸亀市の石川写真館で行われた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。