残雪と大瀑布の黒部渓谷
どんな伝承か
高橋宮二らの探険一行は舟見を出発し、黒部川本流に沿って黒部谷の長い渓谷を遡った。鐘釣温泉で一浴した翌日、深く進んだところで豪雨に見舞われ、一行は骨まで凍える寒さの中、婆谷の温泉まで前進して雨宿りした。ようやく浴槽を洗い温泉に浸かって暖を取ったが、翌朝も雨は衰えず、四方の絶壁はことごとく大瀑布と化し、渓流は雪解け水も加わって激増し、両岸を突破する勢いで水底の巨岩を転がす響きが谷全体を震わせるほど凄まじい光景であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
修養と通力(高橋宮二(逐堂生)・1913年(大正2年))
『修養と通力』は、高橋宮二が著し、大正二年に東京宝文館から発行した精神修養と千里眼の実験記録である。深呼吸による修養法を説き、焼岳など日本アルプスの険しい山での修養、千里眼の能力を得た婦人を四年間養った経緯、福来博士との会見と透視・念写の実験を記す。第一編「実験四年」を巻ごとに分けて修養と通力の記録とし、第二編に深山幽谷の旅や雪中の遭難、霊所の探訪の紀行を収める。