東京タワーの上でまく節分の豆
どんな伝承か
節分の豆まきは、騒音と煤煙と交通地獄の大都会でも盛んに続いている。東京では東京タワーのてっぺんまで有名人が連れて行かれ、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまく催しがあり、さらに近代化の進んだ例では、ヘリコプターを飛ばして東京の空から豆をまき散らすことまで行われている。著者は、こんな都心に鬼や魔物がやって来るはずもないのに、何万という仲間が白昼公然と、昔から決まった作法で行う呪術には、誰も時代錯誤を感じないと指摘している。
原典より
それにもかかわらず東京タワーの上まで有名人がひっぱり上げられて「鬼は外、福は内」などと呪文を唱えながら豆をまき、極端な近代化はヘリコプターまで飛ばして東京上空から豆をまきちらしている。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。