豆に化けた鬼を食べた貧しい男
どんな伝承か
節分の晩、村中どこの家でも福は内と豆を撒いていたが、貧しい家が一軒だけ豆を撒かずにいた。そこへ鬼がやって来て、みんな撒いているのだから豆を撒けと言う。貧乏で豆がないと答えると、鬼は炒り鍋を掛けろ、自分が豆になってやろうと言って、豆になり鍋に入った。腹を空かせていた男は豆を撒かずに食べてしまった。すると腹の中で鬼が暴れ、痛くてたまらなくなり、隣の家へ行って訳を話しながら茶を飲んだ。隣の人が節分の豆を食べてみろと言うので食べたところ、げっぷとともに鬼は抜け出してどこかへ行ってしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。