わらじを編んで付いてくる貧乏神
どんな伝承か
働きもせず田畑を売り払って遊び暮らしていた怠け者が、売る物も食べる物も尽き、家を売って他所へ行こうと草鞋を作って家を出た。しばらく行くと、誰もいないはずの我が家から藁を打つ音が聞こえる。戻って戸を開けると、髪も髭もぼうぼうでぼろを着た爺が藁を打っていた。問うと、自分はこの家の貧乏神で、おまえが出て行くなら一緒について行くと言い、草鞋を作り続ける。怠け者が嫌いな物を尋ねると、働く人と金だと答えた。そこで怠け者は家を出るのをやめ、掃除をし田畑を耕して懸命に稼ぎ、身なりも整えた。すると貧乏神はいつのまにかどこかへ行ってしまったという。
原典より
台・馬場 長三6 地蔵様むかしざっと昔あったど。—— 南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。