わらじを編んで付いてくる貧乏神
どんな伝承か
働きもせず田畑を売り払って遊び暮らしていた怠け者が、売る物も食べる物も尽き、家を売って他所へ行こうと草鞋を作って家を出た。しばらく行くと、誰もいないはずの我が家から藁を打つ音が聞こえる。戻って戸を開けると、髪も髭もぼうぼうでぼろを着た爺が藁を打っていた。問うと、自分はこの家の貧乏神で、おまえが出て行くなら一緒について行くと言い、草鞋を作り続ける。怠け者が嫌いな物を尋ねると、働く人と金だと答えた。そこで怠け者は家を出るのをやめ、掃除をし田畑を耕して懸命に稼ぎ、身なりも整えた。すると貧乏神はいつのまにかどこかへ行ってしまったという。
原典より
台・馬場 長三6 地蔵様むかしざっと昔あったど。—— 南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。