ツバキのかえり咲きは雪の少ない冬
どんな伝承か
暮らしのなかで天然現象の変化から前兆を読み取る俗信は各地にあり、竹笹の花や動植物の異常な咲き方・実りが凶作や豊作の前触れとされてきた。福井県大野地方では、ツバキが季節外れに返り咲くのは暖冬で雪の少ない年のしるしとされていた。こうした狂い咲きは今日では気候の加減として片付けられがちだが、かつては農林漁業の段取りをつける生活上のめやすとして重んじられていたことがうかがえる。
原典より
ツバキのかえり咲きは暖冬で、雪のすくないしるし(福井県大野地方)。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。