九つ頭の竜が下った荒島岳
どんな伝承か
荒島岳には、かつて九つの頭を持つ竜が棲んでいたという。通りかかる人を襲い、田畑を荒らしてまわるので、山の神が、一年に三匁の金を山の下へ流してやるから川へ下れ、と言い渡した。竜はこれに従って山を離れ、ふもとの川へ移り住んだ。それゆえその川を九頭竜川と呼ぶようになり、この川で獲れる鮎の鱗には黄金色の紋様が浮かぶのだと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。