刈込池に蛇を閉じ込めた投げ剣
どんな伝承か
昔の白山には大蛇が数多く棲み、人に害をなしていた。泰澄大師は登山の折に山じゅうの蛇を呼び集め、刈込池を切り開いてそこへ閉じ込めると、三峰のあたりの大岩へ麻生津から剣を投げて突き立てた。その岩を剣が岩と呼ぶ。剣の姿が水面に映ると蛇は恐れて静まったという。閉じ込められた蛇の魂は池のほとりの檜に移り、その根はヘビイチゴのように地を這って飛騨にまで及んだため、どこが根元か分からなくなった。根元には金の銚子と杯が埋まっているが、見つけた者はまだいない。剣が岩の剣はのちに盗まれ、盗人は神罰を受けたと伝え、剣は今も石徹白の神社に納められている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。