鹿島神宮の要石と大ナマズの地震
どんな伝承か
地中にすむ大ナマズが暴れると地震が起こるという言い伝えは古くからあり、鹿島神宮の境内に置かれた要石はその伝説にちなむ記念物だと著者は紹介する。今ではこの話は取るに足らないものとされているが、ナマズが人より先に地震の気配を感じ取れるかどうかは、なお研究の途中にあるという。著者は、わが国の地震研究が大きく進む一方で、地震に先立つ魚の異常な振る舞いについても真剣な学術研究が並行して進められていることを挙げ、世の中のことは生半可な知識で決めつけられないと述べている。
原典より
「地中の大ナマズがあばれると地震になる」とか、「地震はナマズがあばれるからだ」は、今ではナンセンスで、下総鹿島神宮境内の要石(かなめいし)はその伝説の記念物だが…—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。