ビワの木は植えた人の死
どんな伝承か
ビワの木は全国的に嫌われる木で、庭に植えると病人がうなるなどともいわれる。神奈川県小田原在の曽我村に住む作家の尾崎一雄は、『ビワの木は植えた人が死なないと実がならない』と村の人たちから教えられたが、さいわいにも自分は生きているのに実生のビワに実がなった、となにかの随筆に書いていたと著者は記している。ヨーロッパにもキョウチクトウを不幸を招く不吉な木として嫌った例があり、日本でも足利時代の記録には、俗家に植えるものではない種類として柑類・梧桐・芭蕉・紫荆・款冬などが挙げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。