桔梗の咲かないところ
どんな伝承か
我孫子市日秀に伝わる話。平将門に桔梗の前という愛妾がいた。藤原秀郷は将門と何度も交戦したが、将門はいつも自分とよく似た六人の陰武者を従えて行動していたので、どれが本物か見分けがつかない。困った秀郷がひそかに桔梗の前に尋ねると、陰武者はみな藁人形だから、冬の朝、吐く息が白く見えるのが将門だと教えられた。秀郷はこれを知って将門を射殺したという。そこで将門を慕う日秀では、滅亡のいとぐちを作った桔梗の前にちなむ桔梗を嫌い、これを植える家はなく、植えても花は咲かず、衣服や道具に桔梗の紋様も用いない。
原典より
平将門に桔梗の前という愛妾がいた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。