立木観音の御利益
どんな伝承か
塔寺の立木観音堂に下がる鰐口には珍しい言い伝えがある。むかし大沼郡西方村の名入に住む五十嵐吉兵衛は信心深く、とりわけ立木観音を厚く信仰していた。ある年伊勢参りに出かけ、桑名の渡しで船に乗ったところ、途中で船が動かなくなった。船頭が客の持ち物を水に投げて試すと、吉兵衛の手拭いだけが沈んでいったので、鰐に見込まれたとして海に入るよう迫られた。進退きわまった吉兵衛が立木観音の姿を思い浮かべて一心に祈念すると、船はするすると動き出した。無事に参宮を果たして帰った吉兵衛は、御利益に感激して鰐口を奉納したという。
原典より
塔寺の立木観音堂に下っている鰐口について、珍らしい伝説がある。—— 会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。