落雷で死んだ子守娘とおさん壇
どんな伝承か
年代ははっきりしないが、沖新村の北一町ほどの所に老杉が一本ある。根回り二メートル余、高さ二十一メートル余もあり、根元に雷神が祭られている。ある夏の日、雷が非常に激しく鳴ったので、おさんという子守娘が雷を怖がってその杉の木の下に隠れた。ところが運悪くその木に落雷し、おさんは死んでしまった。村人はたいそう気の毒に思い、供養碑を建てて供養した。村人はその碑のある丘をおさん壇と呼び、毎年六月六日の雷神の縁日に餅を供えて参詣している。雷神の祠や供養碑の文字は風化して読みにくくなっているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史)
『会津坂下町史 1(民俗編)――伝説』は、会津坂下町の町史民俗編のうち、第二十章「伝説」を収めたものである。高寺山の黄金千杯、佐原・栗村の水田開発、交通路、空也・徳一、神仏、地名、雨ごい、狐、笑い話・逸話、妖怪変化、部落の起源、人物にまつわる町内の伝説を集める。冒頭で伝説の意義と自然・歴史・信仰の三分類を述べ、主題別の節に分けた各話の末尾に話者と、井関敬嗣・薄嘉明ら執筆者の名を記す。