けれ坂で祝言に招かれた豆腐屋
どんな伝承か
むかし村に丑五郎という豆腐屋があり、自分で作った豆腐や油あげを行商するのが日課であった。ある日、天気がよいので樋渡村へけれ坂を通って行ったが、この農道は日中でも薄暗く雑草が生い茂っている。行けども行けども樋渡に着かず、ようやく村はずれの一軒家にたどり着いて声をかけると、その家は祝言の最中で、丑どんも上がって祝ってくれと言われ、酒好きの丑五郎は一緒に酒盛りを始めた。ところが夜中になっても帰らないので、家の者が翌朝暗いうちにけれ坂へ捜しに行くと、田の中の馬の堆肥の上で、馬の飼葉や泥の団子、木の葉を肴に一人で酒盛りをしていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。